• 健康でいてほしいから私は梅を贈ります

梅干し専門店の豆知識−土用干し−

梅干し専門店うめ八の小磯です。
形ばかりの梅雨でしたが、ともあれ梅雨明して夏も本番ですね。
この時期になると、梅の産地で始まるのが、梅の天日干し。いわゆる「土用干し」です。
よく、三日三晩、夜露に当てて、等と言われます。

この天日干しは何のために行われるのでしょうか?
言い伝えでは、天日に干すことで、

    • 旨味が増す
    • 実が柔らかくなる
    • 保存性が高まる

    と言われています。

この言い伝えに根拠があるのでしょうか?

まず、旨味について
野菜や魚など、天日に干すことで旨味が増すものがありますね。タンパク質が分解されたり、ビタミンが増えたりすることによるもののようです。
では梅の場合はどうでしょうか?
梅の場合は、水分が蒸発することによって、味が濃くなる、ということと思われます。
また、梅の実は紫外線にあたることで抗酸化物質が増えることがわかっていて、これは収穫した後も同じと考えられます。この抗酸化物質が増えることによって味が変わっていることもあるようです。

実の柔らかさ
梅に含まれる「エチレン」という物質は果実を成熟させる植物ホルモンで、紫外線によって発生量が増えることが知られています。エチレンには果実の皮を柔らかくする働きがあるので、そのためかもしれません。ただし、梅干しを天日に当てることでエチレンの発生が増えるというデータはないようです。

保存性について
紫外線によって、表面が殺菌されることと、実の水分が抜けるために保存性が高まるといえそうです。

まだまだわかっていないことが多いですが、このような様々な効果を、昔から我々日本人は経験的に知っていたのかもしれませんね。